佐藤嘉平氏の初渡米
大正12年4月(1923年)34才にて自営独立して木材業佐藤嘉平商店を創立した同氏は5年後の昭和3年(1928年)夏に米加両国を訪問することになった。当時は旅客機など未だ無く、客船にて海上を往復する旅であり、横浜・サンフランシスコ間を片道15日かけての船旅であった。サンフランシスコに出迎えたバンクーバー・カナダ在中の当時担当者の案内でポートランド・シアトル・バンクーバーと1ヶ月余りに渡る木材視察であった。H.R. MacMillan氏(当時のMacMillan Export co.社長)より大中角を仕入し、その利益は旅費の全てを充分に補ってなお余りがあったと聞く。
氏の略歴:明治22年(1889年)静岡県岡部町にて出生、家業は炭・米・みかんetc.の小売業。母が経営の主体で大変頭が良かったと聞く。静岡商業学校を卒業、缶詰製造所への勤務を振出しに運輸業数社に勤め、東京の朝日海運運輸(株)横浜支店長を最後に独立した。